2018年9月21日 世界を変えた書物展

入り口は行ってすぐの天井まで届く大きな本棚。 これがしばらく続く。まるで外国の大学の図書館、貴族の館内にある主人の書斎を思わせるこの雰囲気!  こんな部屋なら何時間でもいられそう。 あとは、古くなった本独特の紙やインクの香りがすれば、言うことなし

先の連休最終日(9/17)に上野の森美術館へ行ってきた。開催中のこの展示、金沢工業大学の稀覯書コレクションであり、ライブラリーセンター内の『工学の曙文庫』の所蔵品とのことだ。宣伝も控えめで展示自体も地味なので、この開催自体を知らない人も多いような感じもする。私自身も家人より聞いて出かけた展示だ。

だが、行ってみて地味ながら、科学好きだけでなく、本好きにも心踊る展示、と実感した。入口のアーチを抜けた後の大きな本棚! その手前に展示された日本でも本当に有名な科学者達の初版本!  以前、ブーム中に百貨店で開催された「赤毛のアン」展でのモンゴメリーの直筆原稿やスクラップブックを目にしたときと同様に、歴史の偉人達を身近で感じる”時を超越した”不思議な感覚は、デジタル時代の現代のすごさとは違う温かさではないだろうか。

黄ばんだページのシミやインクの色、繊細で緻密に描かれた図やイラスト。歴史があるからこそ、今があり、先人達の発見や知識や努力の積み重ねが、現代を生きる人々の豊かさや便利さにつながり、享受することが出来ているのだ。

ちなみに「稀覯書」とは、『世の中に流伝している部数がきわめて少なく、稀(まれ)にしか巡り合うことができない本。』、とコトバンクに載っていた。『和書では1850年(嘉永3年)頃以前、洋書では1500年以前に印刷されたものを稀覯書とみなすことが多い』、とWeblio辞書にも書いてある。

素晴らしい書物の実物を見ることが出来て貴重な体験だった。

今回の展示の紹介サイトはこちら↓ 24日までの開催です。
http://www.kanazawa-it.ac.jp/shomotu/index.html

マリー・スクウォドフスカ・キュリー
「放射性物質の研究」1903年

チャールズダーウィン
「種の起源」1859年