2018年3月公開のチェック映画
しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス (MAUDIE)
2016年カナダ/アイルランド作品 日本公開2018年3月3日
今月もまた更新が遅れに遅れてしまいました。そうこうするうちにアカデミー賞授賞式も終了してしまい、もう以前ほど気持ちが盛り上がらないのはどうしてかなあ、と考えると(自分の年のせいというのを抜きにして)、マンネリなのか、それとも映画漬けの日々だった頃と現在とのギャップのせいなのか。受賞が噂通りの結果になったのが不満でもあり、納得でもあり……。
今月のイチオシに「15時17分、パリ行き」を選ぼうと思っていた先月末でしたが、実はワーナープラザースジャパンのキャンペーンでこの作品のムビチケが当選し、もう見てしまったので、どうしようかなあ、と考え、「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」にしてみました。
「シェイプ・オブ・ウォーターも注目作だし、ゲーリー・オールドマン主演の「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」も話題作ではありますが、あえて地味なこの作品をピックアップ。
ヒロインのモードには「シェイプ・オブ・ウォーター」でもヒロインを演じたサリーホーキンス、その相手役にイーサン・ホーク。リウマチのために子供の頃から手足が不自由で両親の死後、叔母の家でひっそりと生きてきたモードと町外れに住む無骨な青年エベレットが出逢い、ともに生きる選択をして人生に変化が訪れる。不器用な二人の生き方は、現代では理解できない部分もあるだろうけれど、新鮮であり、同時にまた自然なものかもしれない。
カナダでは最も有名な画家の一人であるというモード・ルイス。20世紀初頭、若年性関節リウマチを患って生きるのは、おそらく生涯、痛みと共に生きる人生であり、関節が思うように動かないことに涙の出る時もある生活であったに違いないと想像できるけど、彼女の描いた絵は明るくてかわいらしい。自分が楽しいことって、本当に大切よね、と改めて感じる瞬間。満足できることが一つでもあれば、人は自分にも他人にも優しくなれるのかもしれないと思える瞬間でもある、ふとそんなことを感じた公式サイトでした。
公開劇場は東京でも少ないのだけれど、時間が作れれば、是非観たい作品です。(2018/03/11)