2016年9月公開のチェック映画
グッバイ、サマー(MICROBE ET GASOIL/MICROBE & GASOLINE) 2015年仏作品
日本公開2016年9月10日
今月は珍しく「これが絶対観たい!」と思う作品が、残念ながらなかった。昔からたま~にこういう月もあったりするのだが、独身時代はこんな時は観ようと思っていて観ていなかった作品をレンタルしたり、録画したままの映画やドラマを一気に観たりして、やり過ごしたものだ。今月は、というとまたまたあっという間に30日が過ぎてしまい、10月がすぐに来るのだろう。年々早くなる時間の流れは、いいのか悪いのか、というよりも何だか淋しい‥‥。
今月公開の目玉は私的には、「ハドソン川の奇跡」かなあ、と思う。まあ、クリントファンの私には興味深い作品であると言える。しかもこの映画の扱うハドソン川への航空機不時着事件、2009年のことでまだ記憶に新しい。ニュースで観た映像も思い出される。機長の判断による奇跡、といったニュースの裏側で起きていた関係者達の苦悩ect‥‥、と気にはなる。
だが、今月はあえて、フランス映画の「グッバイ、サマー」にしてみた。少年達の夏物語、といたって私好みのストーリーだ。また先月に続いてのヨーロッパ映画。英・米映画ばかり観ているので、ヨーロッパ作品は不慣れなのだが、14歳の少年達の夏休みの冒険を通した成長物語なら、小難しい話でもなく、芸術云々のセンスやら感性などはなくても身構えずに観られそうだ。男の子の母親としての立場でも興味がある。我が子はもう14歳を過ぎてしまったけれど。
メインの男の子2人を演じるアンジュ・ダルジャン、テオフィル・バケ、そしてヒロインのディアーヌ・ベニエはオーディションで選ばれた新人ということだ。主人公ダニエルの母親役にはオドレイ・トトゥ。予告編を観るとすごくおばさん臭い感じになっていて、先日このサイトにUPした「ココ・アヴァン・シャネル」の時とは別人のようだが、きっと役作りのため、と信じよう。
監督はミシェル・ゴンドリー。監督作品はさほどないようだが、日本でも結構公開しているので少しは知られてる?当サイトでは「エターナル・サンシャイン」をUPしているが、実はあまり私好みの作品ではない。東京を舞台にした「TOKYO!」という作品も撮っているようだが、私は未見。今回のこの作品は、予告を観た印象も設定も「スタンド・バイ・ミー」を連想されるけど、学校ではみ出しものの少年2人が手作りの動くログハウスで旅に出る夏休みの話は、フランスのロードムービーとしてアメリカとはまた違った雰囲気を醸し出しているのでは? と期待。
公式サイトも背景が水彩画っぽくて、素敵。そして現れる「みんなに心からお願いする。どうか、子供の頃のことを、けっして忘れないでほしい」というケストナーの言葉。大人も懐かしい自分の子供時代の夏休みを思い出すかも。日本での公開が夏休みの終わった9月からなのは配給会社の都合なのか、たまたまなのか気になるけど、そして公開劇場もやや少なめなのも残念だけど、案外ひっそり公開した佳作になるかなあ、なんて思ったりも……。夏の終わりに、子供達は等身大の共感を、大人達は夏の思い出をそっと思い出して振り返り、夏バテを吹き飛ばすさわやかな気持ちにで満たされそうな、あ、期待しすぎ? ともあれ、夏らしい作品で夏を終わりたいなあと思ったのであった。(2016/09/03)
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