2015年12月公開のチェック映画

海難1890 2015年日本・トルコ作品 日本公開2015年12月5日

今月も残り半月となってしまい、同時に2015年も残り半月ということであり、毎年の事ながら年々一年が早くなっている気がする。それだけ年をとっているということなんだろうか? 2015年最後の月というのに今月の更新は遅くなってしまいました‥‥‥

この冬は待ちに待った「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」が18日に公開。スター・ウォーズ世代であり、少女の頃にハン・ソロにすっかりお熱をあげていた私としては、何としてもこの映画は観たいと、一応前売り券は購入。もはや日本で放送されたアニメの「クローン・ウォーズ」を全部観ている息子は私以上にそのキャラや設定に詳しくなっているものの、中学生だった私が大人になって結婚して生まれた息子と「スター・ウォーズ」を観ることができるとは、当時は夢にも思わなかったことであり……。

このトップページで取り上げたいのも山々なのだが、今月は「007 スペクター」も公開するし、実は「クリード チャンプを継ぐ男」もちょっと気になる。6作品続いた「ロッキー」(私は最後の2作品は未見だが)の後版とも言えるような作品のようでおじいさんになってしまったスタローン=ロッキーが若者に託すものは何か興味深い。

特別ファンだったわけでもないのだが、この大作に隠れてしまったかのような「ディーン、君がいた瞬間(とき)」も佳作なんじゃないかと期待してしまうし、大大好きなキャラクターであるスヌーピーの3D映画「I LOVE スヌーピーTHE PEANUTS MOVIE」も観たい。チャーリーじゃないけど、”I Love Snoopy.”。オバサンになってしまった今、劇場に足を運ぶのは少し恥ずかしいが、でも観たい。

とは言え、今月は邦画も見応えのありそうな作品がある。その中で私のチェックは、「海難1890」と「杉原千畝 スギハラチウネ」。ここでは、「海難1890」を紹介したいと思う。杉原を演じるのは私の好きな俳優の1人である唐沢敏明だし、妻役も小雪で是非にも観たい作品である。杉原千畝はこれまでテレビなどでも取り上げられているし、児童書にもなっているとのこと。

「海難1890」は、日本とトルコの友好関係の基盤となった話を描いている。明治時代に遭難したトルコの親善訪日使節団の乗組員を助けた和歌山の村人達。その親身な姿と、そして、1985年のイラン・イラク戦争当時のトルコの人達による在留邦人救出劇の真実。どちらも重要な日本、日本人が関わる事件であり、歴史であるのにこれまであまり語られることがなく過ぎてきた。是非、映画化してほしい題材の一つであった話が今回ようやく日本とトルコ両国の協力により実現したのだ。

主演に実力派の内野聖陽。監督は田中光敏。新聞の記事に監督のインタビューが載っていたのだが、「トルコの日本への恩返し」という面を描くことは意図的に避けられているという。「単なる”泣かせ”映画にしたくなかった」、「両国とも困った人がいたら助ける国民性」、そこを描くことでまたおそらく客観的に描けているのではないかとも思う。

このご時世のタイミングでのこの2本の映画の公開。激動の時代を生きた人々のとった勇気の行動は英雄のみが行えるものではないことを教えてくれるのではないだろうか。一年の締めくくりにに、誰もが心の中に持っているもの、大切な思いをもう一度振り返って確かめる、そんな気持ちになれそうな2本だと期待できそうだ。(2015/12/13)