オーメン666
THE OMEN 2006年 アメリカ作品
監督:ジョン・ムーア
出演:リーヴ・シュレイバー(ロバート・ソーン役)、ジュリア・スタイルズ(キャサリン・ソーン役)、ミア・ファロー (ベイロック夫人役)、デヴィッド・シューリス(ジェニングス役)、ピート・ポスルスウェイト(ブレナン神父役)、マイケル・ガンボン(カール役)、シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック(ダミアン・ソーン役)
ストーリーの大筋は1976年のオリジナルとほとんど同じ。オリジナルを見た時は本当に怖いと思ったが、今回はその怖さはなかった。やはりダミアン役の子役はキーだと思うが、その点は前作同様悪くない。子役はうまかった。不気味な家政婦(今回はミア・ファロー。若い頃とはずいぶん違った印象になっていたのは残念!)もいい。ダミアンを引き取る若夫婦にリーヴ・シュレイバーとジュリア・スタイルズ。彼らを助ける神父にはピート・ポスルスウェイト、協力するカメラマンにはデビッド・シューリス。これだけの俳優を揃えていたけど、いまいちになってしまったは、何がいけないのか…。怖さも半減。それは自分が年を取ったせいなのか、それともキリスト教を信仰していないせいなのかは不明だが、やはりオリジナル版の方がよかった、と感じたのは私だけではないと思う。
こうした作品の怖さや恐ろしさは、信仰が大きく影響するのだろう。怖い映画は好きじゃない私も何本かは悪魔だとか悪霊といったものが登場する映画やドラマを観たが、どれもそうした感想は同じだった。日本では真夏の怪談には、びくっとし、ぶるっとするかもしれないけど、キリスト教的な悪魔はどうにも理解しがたいのかもしれない。ホラーは頭の中の理屈じゃなく、感情かもしれないけど、先日観た「ザ・ライト エクソシストの真実」でも、「神を信じることは悪魔を信じること」といったようなことを語っていた。宗教の下地がある人と無い人とではこの作品の見方も違ってくるかもしれない。もちろん、単純に怖い映画として観るのもありだとは思うが…。
もう一つ残念なのは、リーヴ・シュレイバー! うーん、この人は主役向きではないかもしれない。どうにもインパクトが弱いと思うのだが、どうだろうか? 「ニューヨークの恋人」でもメグ・ライアンの彼氏役であったが、いまひとつパッとしない男性役だった。もう一人のヒロインの相手役がヒュー・ジャックマンじゃあ、しようがないか、と言う気もしてくるものの、この冴えなささは何とかならない物かと感じてしまう。そのあとの「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」で再度ジャックマンとの共演を果たして、ここでは名誉挽回といった印象ではあったものの、脇役俳優感が漂い、主役には弱い感は否めない。
妻役のジュリア・スタイルズは美人ではないけど、なかなか評価されている女優のよう。今後も期待、というところか。私としてはカメラマン役のデビッド・シューリスがチェック俳優であったが、出番は少なめ。残念。発売されたDVDでは、タイトルは「オーメン666」となっているようですので、今回からタイトルを変更しました。(2012/11/06)
追記:ジョン・ムーア監督の「エネミー・ライン」も掲載しています。(2019/06/11)
左はオリジナルの「オーメン」。監督はリチャード・ドナー、ロバート役にグレゴリー・ペック、キャシー役にリー・レミック、ジェニングス役にデイビッド・ワーナー、ベイロック役にビリー・ホワイトロー、ダミアン役にハーベイ・ステファンス