かぞくはじめました
LIFE AS WE KNOW IT 2010年 アメリカ作品
監督:グレッグ・バーランティ
出演:キャサリン・ハイグル(ホリー役)、ジョシュ・デュアメル(エリック役)、ジョシュ・ルーカス(サム役)、クリスティナ・ヘンドリックス(アリソン役)、メリッサ・マッカーシー(ディーディー役)、ヘイズ・マッカーサー(ピーター役)
街でベーカリーを経営するホリーはいつか自分のレストランを開店するのが夢。そのために仕事一筋の日々。心配する親友のアリソンは、「結婚って良いわよ~」とあれこれ結婚相手になりそうな男性を紹介してくる。がある日突然、子供も生まれて幸せいっぱいのアリソン一家を襲った不幸。夫妻が一人娘を残して交通事故死してしまったのだ。赤ちゃんの名付け親だったホリーとアリソンの夫ピーターの親友のエリックは、行きがかり上、残された赤ちゃんの世話を一緒にすることになってしまう。
しかし、ホリーにとってエリックは以前アリソンが紹介してくれてデートしたときの印象、態度が酷すぎて最低男の烙印が押された男。一方エリックにとってもホリーは「ガミガミうるさい最低女」でしかない。そんな二人が赤ちゃんの里親が見つかるまでのあいたとは言え、世話が出来るのか? なんて展開のラブコメディ。
一昔前なら、メグ・ライアン(「キスへのプレリュード」での彼女はよかった!)が演じそうなホリー役(だからといって、じゃあエリック役は誰? と聞かれてもすぐには答えられないが、トム・クルーズなら面白いか?)。実に彼女にぴったりと思わせるものの、年齢的に当然無理。80年代、90年代にはとても良い感じを出していただけに近年の低迷ぶりには残念感が漂う。近いところでは個人的には「ニューヨークの恋人」は良かったけど、これはメグがよかったとは言い難い。「ハリウッド式 恋のから騒ぎ」(サイトにはまだUPしてません)も期待はずれだった。ティモシー・ハットンとの共演の「メグ・ライアンの男と女の取扱説明書」は気になるところではあるが、果たして?…。やはり「プルーフ・オブ・ライフ」での好印象を覆すラッセル・クロウとのスキャンダルのダメージが大きかったか、体当たり演技と言われた「イン・ザ・カット」も不評だし、何とも「残念」の言葉が張り付いたまま離れない女優になってしまった。
話がそれましたが、そのくらい「これ、メグの役だよね」と感じてしまうホリー。人気ドラマにも出ているキャサリン・ハイグルももちろん悪くない。恋愛とか家族とか子供とか、ましてや育児なんて全く無縁のホリーが、いい加減な最低男のエリックとの共同育児なんて出来るのか、そのドタバタぶりはコメディ路線で、仕事と両立の育児を悪戦苦闘しながら何とかこなしていくうちに新たな発見で見つける充実感をホッとするファミリー路線で、嫌な奴と思っていた相手が実は結構いい人でトキメク瞬間のロマンス路線だったりで慌ただしく時間は過ぎていく。
特に目新しさもなく、可もなく不可もなく的作品ではあるが、出演者たちのファンには嬉しい作品かも、と思う。アリソンとピーターの家で子供の世話をすることになるのだが、その家もホリーのベーカリーも素敵だ。安心してみられる作品と言えそう。いい男好きの私の目でチェックすると、ジョシュ目当てで観たこの作品、見終わったら、ジョシュはジョシュでもサム(小児科医であり、実はアリソンがホリーに次に紹介しようと思っていた男性である)役のジョシュ・ルーカスの方がよかったかな? 出番は少ないけど好印象でした。「生きてこそ」の中でも書いたけど、これからの注目株は彼かも。
そして、ラストはまあハッピーエンドではあるのだが、私はちょっと納得いかなかった。共働きが多い現代では当然ありそうな設定ではあるものの、「家族」というテーマを深く考えると別のラストが欲しかったような気も…。そうは言ってもあれこれ考えさせる映画でもない視点で観るとこれでもいいのかも、と思うし、やはり気軽に観る映画か……。(2014/05/20)