ナイスサーティーズ
Thirtysomething 1987-1991年 アメリカ
このドラマについて
フィラデルフィアに住む30代の家族の交流を描くドラマ。主人公夫婦に広告代理店に勤務するマイケルとホープ。同僚の夫婦にエリオットとナンシー。ホープの親友には市役所に勤務する独身のエリン。マイケルと非常に中のいい従姉妹のメリッサは独身の女性カメラマン。マイケルの(おそらく)友人であり、メリッサの元恋人に大学教授のゲーリー。このメンバーが繰り広げる日常の些細なことをとても丁寧に描いています。夫婦の絆を確かめようとしたり、子供のことで悩んだり、離婚問題や不倫、友情、転職や起業、両親と自分達の関係で喧嘩したり、日々の事件のおそらく思いつくことのほとんどが、各エピソードとして登場します。
ここではお気に入りのキャラクターはホープ。名前も素敵だし、キャリアウーマンだったと予想される彼女の主婦としての前向きな生き方に当時は惹かれていました。友人と気になっていたのはゲーリー役のピーター・ホートン。この人、昔のテニス・プレーヤーで人気のあったビヨン・ボルグに似ているのです! ティーンの頃、彼のファンで盛り上がっていた私達には毎回毎回、ボルグだ、ボルグだと騒いだのを思い出します。
日本では深夜枠で放送されて、偶然観た私と友人は、このドラマにはまりにはまりました。当時は私達は20代。こんな30代の生活が送れたら…と、ちょっぴり憧れもあり、またアメリカのドラマだからとどこか冷めた目で「ドラマ」として楽しみにしていたり…。素敵な一戸建てのおうちにも毎度ため息でしたが。豪邸というわけではなく、多分中流程度の一般的な家なのでしょうけど、日本だったら、このくらいの家に住めたら大満足というものでした。20代の私達には 30代はまだ先のこと。そして、結婚して家庭や家を持つということも……。だからこそ、ドラマとしての魅力や楽しみがあったのかなあと今は思います。
マイケルとエリオットが広告代理店を辞めて、二人で会社を起こしたものの(この会社がなかなか素敵な部屋で、こんなオフィスで働きたいー、なんて思っていました。もちろん、実現しませんでしたが)、結局、倒産という形に終わって、再び就職しなければならなくなったり、エリオットとナンシー夫婦には離婚の危機が迫り別居したり、なかなか言い相手に巡り会えないエリンは精神不安定だし、ホープも二人目の子供を流産してしまい大変なショックに打ちひしがれます。ゲーリーはメリッサと別れたあと別の女性との間に子供が出来、それでもメリッサはゲーリーに未練ありげで……。
私が印象的なエピソードはいくつもありますが、特によく覚えているのは、エリンがレンタルビデオ店で「フィラデルフィア物語」(キャサリン・ヘップバーン、ケーリー・グラント、ジェームズ・スチュワート共演)という映画を借りるシーン。彼女の恋のエピソードだった思いますが、これでグレース・ケリーの映画「上流社会」のオリジナルであることを知りました。話はそれますが、どちらもとても素敵な映画です! お気に入りの作品。
私は途中から見はじめて、日本では途中で番組が終わってしまったので、彼等がどうなったのか、ずっと消化不良のままでした。海外ドラマはこういうことが時々あるから困る!!
ちなみに、この番組の製作者の一人は、「グローリー」や「戦火の勇気」の監督でもあるエドワード・ズウィック。彼は「レジェンド・オブ・フォール」、「恋におちたシェイクスピア」、「トラフィック」などでもプロデューサーとして活躍しています。(2001/11/08)
出演者とキャストについて
ケン・オリン(マイケル・ステッドマン役)
「ナイスサーティーズ」では、広告代理店の共同経営者になるエリオットと友人の大学教授ゲーリーと三人三様のタイプの男性の中で一番堅実で誠実で、私の好みのタイプ。よき夫であり、よき父親。まるで理想の男性像のように思えるけど、これがドラマの中だと浮かないんですよね。現実にマイケルのような男性がいるかどうかは別として。彼が好きで、このあとに偶然にも深夜で放送してくれた「ヒル・ストリート・ブルース」を観ることが出来ました。ここでも素敵な刑事役でしたが、このドラマ、若いマイケル・ビーンやアンディ・ガルシアがゲスト出演していたことの方が、気になったのでした。テレビで活躍のケンは監督やプロデューサーも務めているよう。映画は「クィーンズ・ロジック」で主要メンバーの一人を演じています。私としては、ドラマ「L.A Doctors」が観たいなー。地上波で放送して欲しい!
追記:ケンは近年では俳優としてより「エイリアス」のプロデューサーとして日本でも名前が知られているのではないでしょうか(第1シーズンに数回、俳優として登場)。この番組には、実生活の妻でもあり、「ナイスサーティーズ」で共演したパトリシア・ウェッテイィングが「エイリアス」にCIAのカウンセラー、バーネット医師役としてゲスト出演。ヒロインのシドニー(ジェニファー・ガーナー)も父親のジャック(ビクター・ガーバー)もその親友スローン(ロン・リフキン)もカウンセラーにお世話になっています。また、パトリシア・ウェッテイィング、ロン・リフキンが共演した「ブラザーズ&シスターズ」にも第2シーズンから、ケンも俳優として登場している模様。日本ではこの間、第1シーズンが放送終了したばかりだけど、早く続きが見たいものです。(2008/07/31)
メル・ハリス(ホープ・ステッドマン役)
マイケルの奥さんホープ。この人もマイケルの妻らしいと思える女性。バリバリの編集者(なのだと思う)から、専業主婦へ。でも、今は家事や育児が楽しくて仕方ないというふう。それがちょっと私には嘘っぽくも見えたけど、反面憧れもあったりして。何より、この役名が気に入りました。演じるメルはテレビで活躍しているようですが、映画にも時々出演しているよう。私が見たのは「K-9/友情に輝く星」だけですが…。先日、「新アウター・リミッツ」を見ていたら、彼女がゲスト出演していて、随分ふけたなーと感じました。でも、私がこの番組を見ていたときを思い出せば、当然か…とも。あー、時は流れる。
メラニー・メイロン(メリッサ・ステッドマン役)
メリッサはマイケルのいとこ。近所に住んでいて兄妹のように仲がいい。ゲーリーとは元恋人同士。カメラマンとして独り立ちするのが夢と言う女性。同じ女性で独身で仕事に張り切っているホープの親友エリンとは対照的で情にもろく、マイペース型という感じ。私はエリンよりメリッサ派。演じているメラニーは監督としても活躍しているようで、「刑事ナッシュ・ブリッジス」や「ドーソンズ・クリーク」のエピソードも撮っているらしい。映画はステイーブ・マーチン主演の「マイ・ブルー・ヘブン」に出演しました。
ティモシー・バスフィールド(エリオット・ウェストン役)
エリオットはマイケルの同僚であり、のちに二人で広告代理店を経営することになる男性。妻と子供二人の典型的な中流ビジネスマン家庭というところ。マイケルに比べ、お調子者的でわがままな感じもするけれど、それがいい方向に転じて危機を脱出することもあり、正反対の二人だからうまくいくという典型かも。結局ふたりの会社は倒産するけど。演じるティモシーもテレビドラマだけでなく監督としても活躍中のよう。「フィールド・オブ・ドリームス」、「スニーカーズ」、「クイズ・ショウ」などの映画にも出演しています。
追記:ケン同様、ティモシーも俳優業だけではなく、プロデューサーや監督等、裏方としての活躍が近年多いよう。日本では「FBI失踪者を追え!」でその名前が見られる。この番組では主人公ジャック・マローン(アンソニー・ラパリア)の車椅子の弁護士役として俳優としてのティモシーも見ることが出来る。「ダメージ」や「ラスベガス」でも監督を務めた。「ナイスサーティーズ」ではマイケルとエリオットとしてペアで広告代理店を経営していた二人が、今は映画・TV界では俳優としてだけではなく活躍しているのが、ちょっと嬉しいですね!(2008/07/31)
パトリシア・ウェッティング(ナンシー・ウェストン役)
エリオットの奥さんでイーサン、ブリタニーという二人の子供の母親。専業主婦。うまくいっていた家庭も途中でぎくしゃくして夫と離婚の危機に…。日本では放送されなかったその後にまたまた大事件もあるようです。演じるパトリシアは、ドラマ以外に映画にも出演。日本でもロバート・デ・ニーロ、アネット・ベニングと共演した「真実の瞬間」では印象的な役で知られたのでは? と思います。他に「シティ・スリッカーズ」とその続編にも出ています。
追記:日本ではあまり見かけない女優ではあったけど、なんと前出の「エイリアス」に登場し、ロン・リフキンとは特別な絡みのあるカウンセラー役を演じていたかと思うと、今度は「ブラザーズ&シスターズ」では、またまたロン・リフキンと共演していて、「ナイスサーティーズ」ファンとしては、意外な共演に驚きと喜びあり…って感じでした。「ブラザーズ&シスターズ」では、かなり年を感じさせるものはありましたが、まあ、役柄も19歳の娘がいる母親だったので、その辺はしかたないかな? でも、ナンシーの面影あり、で懐かしかったです。また、日本でも話題になった「プリブン・ブレイク」では女性副大統領役で出演。リンカーン・バロウズを陰謀にはめたキーパーソンの1人として裏工作する悪役を演じています。(2008/07/31)
ポリー・ドレイパー(エリン・ワレン役)
ホープの親友エリン。お嬢さん育ちらしく勝気でちょっとわがままな市役所に勤めるキャリア・ウーマン。このドラマの中では一番バリバリ働くまさにキャリア・ウーマンのイメージ。素敵な恋人も欲しいけど、仕事も捨てられない、そんな女性。この頑張り具合が、私は苦手でしたが、マイケルとエリオット同様、似ていない二人だからホープの親友なのか? とも思ったり。演じるポリーはテレビで活躍しているようですが、日本では彼女の姿が他の作品で観られるのでしょうか? 私は観たことがありませんが。
ピーター・ホートン(ゲーリー・シェパード役)
ゲーリーはマイケルの友人で大学の教授です。とてもそうは見えない姿だけど。やせぎすの長髪姿はどっちかというと芸術家タイプかなと思ってしまいます。何より、彼は元プロテニスプレーヤーのビヨン・ボルグに似ているので、そのせいか教授には見えない。まあ、そんなことはドラマの内容には関係ないけど。演じているピーター・ホートンは俳優としてだけでなく、監督やプロデューサーとしても活躍しているよう。また、是非、日本でもそのお姿を拝見できるドラマを放送して欲しいです。