今年もまた訃報
ショーン・コネリーが亡くなった、とのニュースはある意味、衝撃的だった。年齢や既に俳優を引退していることを思うと特別意外なことではないのだけれど、やはり、ボンド=コネリーのイメージが強い彼が死ぬなんて、正直言って考えてもいなかったから。
私は「007」シリーズのファンだし、ボンドが好き。だからと言って本当はショーン・コネリーのボンドファンじゃないし、どちらかというとロジャー・ムーアのボンド、更にピアース・ブロスナンが演じてからはずっと彼のボンドが好き。
でもやはり、ボンドと言えばコネリー、これは映画ファンの共通する認識とも思う。原作のある映画ではあるけれど、このシリーズは原作を超えて更に成功し、進化している作品のひとつだろう。大いに貢献した1人はコネリーに間違いない。
彼は私の中では年を取るにつれ、若い頃のぎらぎらした感じがなくなって渋みの増した俳優で好きになっていったスターだ。そうした俳優は何人かいるけど、やはり、コネリーはボンドのイメージが強いだけによりその後の役柄や作品とのギャップが大きい。ボンド作品ほどはヒットしなかったけど、でもどの作品もいいものばかりだと思う。インディのパパ役もとってもよかった。あのインディもパパの前では、ひよっこの様の見える、そのパパの百戦錬磨のつわもの的な姿や親子のやり取りがアドベンチャーアクション映画の中でスパイスのようになっていた。もう、その共演も観られない(インディ・ジョーンズのシリーズの続きの企画があったのかは知らないけど)。
とはいえ、スクリーンの中のショーン・コネリーは、当然これまでの亡くなったたくさんのスターたち同様に私達ファンの中で生き続ける。その姿はいつだって映画の中で見ることはできるのだ。ワクワクし、ドキドキし、ニヤリとしたり、笑ったり、涙したり……。
久しぶりに、彼のボンド作品を観てみようかなあ、なんて気持ちになったのであった。
ご冥福をお祈りします。(2020/11/23)