2020年10月公開のチェック映画

おもかげ MADRE  2019年 スペイン・フランス作品  日本公開日2020年10月23日


今月も半分が終わり、更新が遅れています。そこそこ観たい作品はありますが、今月はスペイン・フランス作品の「おもかげ」がチェック作品かなあ、と感じています。ドイツの「ある画家の数奇な運命」やイギリス、アイルランド、フランス、アイスランドの作品「博士と狂人」もメル・ギブソンショーン・ペンという共演を思えば非常に興味深いし、ニコール・キッドマンの汚れ役風な「ストレイ・ドッグ」も気にはなりますが、予告編を観て、夫と離婚し、息子を失った女性の失望とその後の人生の再起を描く「おもかげ」が、やはり注目作!と感じてしまいました。

予告編では、舞台は美しい海辺のレストラン、バックに流れる静かなクラッシックが効果的。幼い息子が行方不明となって10年後の彼女は、その現場である海辺のレストランで働いています。おそらく彼女の心に空いた深い穴は誰にも埋めることは出来ないし、その方法もわからないし、あるいは彼女自身、埋めたくない思いもあるかもしれない。これは経験した人にしかきっとわからない気持ち。「我が子を失う」ということは、想像で計り知れるものでも、理解できるものでも、そして共感できるものでもないでしょう。

自分は残りの人生、幸せになれるのか、なってもいいのか、いなくなった息子はどうしているのか、生きているのか死んでしまったのか。様々な複雑な感情が混ざり合って一人生きてきた、生きていくことの苦しみから逃れることはできるのだろうか、とふとそんな思いに満たされてしまいます。

公式サイトのレビューやコメントを読むと明確なラストはなさそう。その点では、鑑賞後にもしかしてもやもや感は残ったままなのかも?という気持ちもよぎりますが、やはり気になる作品と言えそうです。

実はまだ感想をUP出来ていませんが、今年は「悲しみに、こんにちは」、「グッバイ、サマー」(2016年9月公開のチェック映画  感想は2020/08/17にUP)、「ルージュの手紙」(2017年12月公開のチェック映画  感想は2021/4/29にUP)、「オンネリとアンネリのおうち」(2018年6月公開のチェック映画)といった英米作品ではない映画も鑑賞しました。やっぱり、私はイギリスやアメリカの映画が好きかも、と感じた瞬間でもあったのですが、映画でありながらそこに滲み出る普通の人たちの生活感とも言えるリアルな感覚が好きな人にはたまらない理由の一つなのかも、とも感じたのでした。(2020/10/17)

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