2014年2月公開のチェック映画
ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 (NEBRASKA) 2013年アメリカ作品
日本公開2014年02月28日
さて今月も観たい作品があれこれとあり悩ましいところ。既に公開の「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」。前作から監督はアラン・テイラーに変わったものの、メインキャストは前回と同じ。ファンドラル役がジョシュア・ダラスから「CHUCK/チャック」のザカリー・リーヴァイになっているが、てことは、チャックのイメージ一新となるか、やはり観たい。浅野忠信も出ているみたいだし。主演二人のクリス・ヘムズワースもトム・ヒドルストンも今後注目株の俳優だ。
これから公開する作品では、「エヴァの告白」、「エージェント:ライアン」、「大統領の執事の涙」、「リーガル・マインド」、「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」と、自分が独身なら、ぜーんぶ観ちゃうところなのだが、そうもいかない現実。
「エヴァの告白」は、ポーランドからアメリカへやって来たエヴァの話。マリオン・コティヤール扮するエヴァの新天地での生きるための人生の選択はどんなものだったのか、その過酷な人生を描くもの、とのことでこのサイトの趣旨にも合っているし、彼女の美しさも必見らしいし、ホアキン・フェニックス(監督お気に入りの俳優のよう)、ジェレミー・レナー共演というのにも心は動く。内容は重そうなのでちょっと気後れするのだが、監督がジェームズ・グレイ。この監督のデビュー作「リトル・オデッサ」が哀しかったので、やはり最後は胸が苦しくなっちゃうのかなあ……。
「エージェント:ライアン」はご存じライアンシリーズ。アレック・ボールドウィン、ハリソン・フォード、ベン・アフレックと演じてきた主役のジャック・ライアンがクリス・パインに。彼のライアンがどうかは別としても、ケヴィン・コスナーとケネス・ブラナー(しかも悪役!)の共演は興味深い。ケネスが監督だし。
「大統領の執事の涙」は以前取り上げた「私が愛した大統領」同様にアメリカン人が観た場合とそうではない人とでは感じ方は違ってくるのだろうと思うのだが、登場する大統領役を演じる俳優の方に興味がいってしまいますね。ロビン・ウィリアムズのアイゼンハワー、ジェームズ・マースデンのケネディ、リーヴ・シュレイバーのジョンソン、ジョン・キューザックのニクソン、アラン・リックマンのレーガン(夫人のナンシー役にはジェーン・フォンダ。かなりご無沙汰でした。懐かしい!)と聞くとそれだけで観たくなる。
「リーガル・マインド」はケイト・ベッキンセール主演の法廷ドラマ。といってもストレスからアルコール依存症になり、キャリアも一人娘の養育権を失ったどん底の女性弁護士が冤罪事件に挑むサスペンス要素も含むハラハラものでもあるようだ。「アンダーワールド」(私は未見だが)女優的なイメージがついている彼女のこうした役も久しぶりに観てみたい。
と最後まで引っ張って、という感じになるが、今月は「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」がチェック作品かな、私はと思う。前編モノクロのロード・ムービー。もともとロード・ムービーものは好きだが、この作品では、ブルース・ダーンとステイシー・キーチくらいしか知っている俳優はいない。しかも二人ともおじいさんと言っても良い年齢。
特に好きと言うわけでもないんだけれど、主人公のウディ(ブルース・ダーン)は自分が100万ドルの賞金が当たったので住んでいるモンタナから遠く離れたネブラスカまで受け取りに行くと言いだし、疎遠になっていた息子のディビッドは、「詐欺に決まってる」とわかっているが頑固親父を車に乗せてついていく、多分大げさなアクションも大爆発も色っぽい話もないきっと淡々としたお話。
地味だけれども、そこにいるごく普通のありふれた人々、家族の話は万国共通の思いを描いているのだと思う。誰もが感じたことのある気持ち、誰もが似ている部分を持っているキャラクター、ラストで静かに自分の家族や友達に思いを寄せてホッとしたり、ちょっとしんみりなったり、そして自分の幸せを思い出したり出来るんじゃないか、なんて勝手に公式サイトを見て感じたのであった。
老いた親との関係は、誰もが経験し、あるいはこれから経験すること。みんながみんな絵に描いたような円満な家族ではないことはひとりひとりがよくわかっていることだ。どこでどんな風に折り合いをつけるのか、そんな課題の答えのヒントもあるかも、と期待している自分もいるのであった。
ちなみに第86回アカデミー賞の作品賞、主演男優賞(ブルース・ダーン)、助演女優賞(ジューン・スキップ)、監督賞(アレクサンダー・ペイン)、オリジナル脚本賞、撮影賞にノミネートされています。(2014/02/04)