グラディエーター

The Gladiator 2000年 アメリカ作品
監督:リドリー・スコット
出演:ラッセル・クロウ(マキシマス役)、ホアキン・フェニックス(コモデゥス役)、コニー・ニールセン(ルッシラ役)、オリバー・リード(プロキシモ役)、リチャード・ハリス(マルクス・アウレリウス役)、デレク・ジャコビ(グラックス役)


2001年3月のアカデミー賞で最優秀主演男優賞を受賞したラッセル・クロウ。受賞おめでとう! 「L.Aコンフィデンシャル」から、メキメキと人気が上昇し、話題作に出演し続けている彼は、これでついに大スター仲間入りといったところでしょうか。いろんな噂も飛び交って、日本での知名度もずいぶんあがりました。

この作品は、まさにアカデミー賞受賞もわかるという感じがしました。最近は、アカデミー狙いの映画も結構あるようで、「グラディエーター」もそう取られ兼ねない印象もありますが、それはちょっと横においておいて、とにかく驚いたのは、この手の映画が、現代で制作できたというところに驚きを感じます。

今はもうこうしたスペクタクル活劇はいろいろな意味で作れないと言われてきました。私もそう感じていました。映画のすべての醍醐味がふんだんにはいっている映画。ドキドキもハラハラもワクワクも、そして憎しみも哀しみも盛り込まれている映画。そうした意味ではこの映画は、久しぶりに活劇の楽しさを満喫させてくれた映画です。

主役は、あきらかな正として描かれ、悲しみ、苦しみを乗り越えて自らを貫き通す男。ヒロインは、心の内に情熱と苦悩を抱きつつ、母として女として、そして民を導く者として凛として生きる美しい女性。敵役は、悪は悪として徹底して観る側の憎しみを一身に受けて登場する。と言っても、ここでは求める愛情、与える愛情が屈折した形でしか表現できない哀れな男でもあります。

背景には古代ローマ時代の戦闘シーン、民衆の姿、当時の一大イベントであった剣闘士の催しが繰り広げられ、多少、残酷なシーンもあるものの、観る側を引きつけずにはいません。本当にこんな映画が今も作られるとは! CGのおかげでもありますね。

観ていて、「スパルタカス」や「ベン・ハー」を思い出してしまった私は、少女の頃にこれらの映画を観て感じたあのスリルや感動を再び思い起こしてしまいました。個人的には、「クイック・アンド・デッド」でラッセルを観て以来、チェックしていた私には、やや太った印象が気になったのですが、この役にはちょうど良かったのかも。

敵役のホアキンも、ヒロイン、コニー・ニールセンも素敵だったし、また、何より脇を固める俳優達の素晴らしい演技(当然とも言える俳優ばかりだが)、映画ファンを魅了しますよね。もう、これだけでも観る価値ありの作品です。私は残念なことに途中で中断して、後日残った分を観ることになってしまいましたが、一気に観ることをお薦めする映画です。(2001/05/08)

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