弁護士イーライのふしぎな日常

Eli Stone 2008~2009年 アメリカ

このドラマについて
弁護士ドラマでありがならハートウォーミングな内容、シリアスな反面コメディ。それがこのドラマの印象。主人公のイーライはハーバード大卒で、有名人クライアントも抱える大手の有名弁護士事務所で働く有能な弁護士。高学歴、高収入の彼には、美人でやはり優秀な弁護士である婚約者テイラーもいる。すべてが順調な人生を送っていたはずのイーライに突然訪れる不思議な現象。幻聴や幻覚で少しずつ完璧な生活が壊れ始めていく。

医師である兄ネイサンに相談しても原因は不明。消えない不思議なビジョンに苦しむイーライに救いの手を差し伸べてきたのは中国系アメリカ人の鍼灸師ドクター・チェンだ。後にイーライの幻覚は、微妙な位置にある脳動脈瘤のせいだと診断がつくが、チェンはそれだけではなく、神の啓示だと信じて疑わない。そこには隠された理由があったのだが……。


主人公のイーライを演じるのは、何と言っても「トレインスポッティング」での印象が強い(しかもアンジェリーナ・ジョリーの元夫)ジョニー・リー・ミラー。婚約者役には美人女優のナスターシャ・ヘンストリッジ、彼女の父親であり、イーライの上司であるジョーダンには「エイリアス」でシドニーのパパ役だったヴィクター・ガーバー、この豪華キャストにさらに花を添えるのはジョージ・マイケル。エピソードタイトルはすべて彼の楽曲のタイトルが使われており、音楽も使用されている。もちろん、本人も登場して歌ってくれるというファンには嬉しいゲスト出演もあるのだ。第1シーズンは、イーライが脳動脈瘤の手術を受けたあと、昏睡状態に陥っているところで終了。


2011年4月からAXNで放送されている第2シーズンでは、また新たな展開に。イーライは無事に手術を終えるが、事務所の危機からイーライの周囲にも変化が……。第1シーズンのようにジョージ・マイケルがらみではなくなってきたものの、イーライの未来は、事務所の未来はどうなるのか、これはジョージのファンでなくてもますます気になる今後だ。

追記:第3シーズンは次をあれこれ想像させる終わり方になっていたものの番組自体は打ち切りとなって、作られなかったそう。イーライ、マギー、テイラー、マットはどうなったのか気になったままとなってしまった。あ~、残念。


青春時代懐かしいジョージ・マイケルの歌も楽しみだし、ファンとしては嬉しいのだが、製作には「ナイスサーティーズ」のケン・オリンも関わっていたということもあり、観たいドラマのひとつだった。また前述のジョニー・リー・ミラー同様、ヴィクター・ガーバーも出演も気になっていたことのひとつ。彼はミュージカル経験もあり、笑顔を見せないスパイ役であった「エイリアス」の時とは違う面を見せてくれそうだったからだ。それにSF映画「スピーシーズ/種の起源」で有名になったナターシャ・ヘンストリッジの弁護士役(しかも、ガーバー演じるジョーダンの娘役)も見所。

そして、その期待通り、今私が最も注目する海外ドラマの一つとなった。ストーリーのみならず、ドラマという非常に限られた時間内で見せるミュージカル的一面は、ミュージカル好きの私にはたまらないし、イーライを演じるジョニーの表情もいい。神様からのお告げを実行していく(脳動脈瘤がお互いをつなぐキーとなって)といった内容は、ちょっとオカルトチックな印象もあるが、ドラマの中身はとてもハートウォーミング。事件の中にも、登場人物それぞれのプライベートにも様々な葛藤があり、ただのお涙ものにもなっていない。

キーパーソンになっている鍼灸師のドクター・チェンも実にいい。おかしな英語を話す中国人かとおもいきや、実はれっきとしたアメリカ人で商売のために中国なまりの英語を話す(演じているのはジェームズ・サイトウということで日系人俳優のようだが)ちゃっかり者。でも鍼の腕はいいようで、また、かつてイーライ兄弟の父親のもとで働いていたとあって大いなる助けとなる人物だ。彼の知っている兄弟の父親の秘密はどんな風に明かされるのかも気になる。

そして、イーライの恋の行方は……。それも気になる。テイラーと婚約破棄したものの、本当に二人は駄目になってしまうのか? そして、マギーとイーライがカップルになるのか? まだまだ目が離せないドラマだ。(2011/06/20)


出演者とキャストについて
ジョニー・リー・ミラー(イーライ・ストーン役)
英国出身。「トレインスポッティング」を見て以来、「プランケット&マクレーン」もずっと見たいと思っていてそのままになっていた。そのジョニーが、こういったイーライ役で大当たりとは少し意外かも? 今、アンジェリーナ・ジョリーの元夫と聞けば、イーライがはまり役なだけにすごく意外な感じ。それよりも何よりも今の私の注目は2009年に作られたテレビ番組の「エマ」! ここでナイトリー役を演じたジョニーが観たい! あ~、我が家もLaLa TVが映れば、観れたのに……(「エマ」の内容については、映画コーナーを参考に。1996年の映画版「エマ」は、グゥイネス・パルトロー主演、ナイトリー役はジェレミー・ノーザム、1997年のドラマ版は、ケイト・ベッキンセール主演、ナイトリー役はマーク・ストロング。追記2019/9/14:ジョニーがナイトりーを演じたドラマ版「エマ ~恋するキューピッド~」は、後日鑑賞し、Channel36 単発・ミニシリーズのコーナーに掲載)。おもな出演作には、「サイバーネット」、「トレインスポッティング」、「アフターグロウ」、「プランケット&マクレーン」、「メリンダとメリンダ」、当サイトで紹介の「イーオン・フラックス」ほか。

ヴィクター・ガーバー(ジョーダン・ウェザーズビー役)
カナダ出身。「エイリアス」のシドニーのパパ役が有名。笑わない優秀なエージェント役だったが、こちらでも、この作品同様に娘を深く愛する父親だった。舞台経験もあり、テレビムービーではあるがミュージカル「アニー」にも出演していると聞けば、この番組で披露する歌や踊りはやはりチェック。出演作には、「ライフwithマイキー」、「めぐり逢えたら」、「エキゾチカ」、「ジェフリー!」、「ファースト・ワイフ・クラブ」、「タイタニック」、「キューティ・ブロンド」、「ミルク」ほか。2011年には、テレビムービー「William & Kate: A Royal Love Story」でチャールズ皇太子役を演じるようだ。是非、日本でも放送してほしい。

ナターシャ・ヘンストリッジ(テイラー・ウェザーズビー役)
カナダ出身の美人女優ナターシャは、ジョーダンの娘役でイーライの元婚約者を演じた。おもな出演作には、「スピーシーズ/種の起源」(同作品の、続編2作も)、「マキシマム・リスク」、「偶然の恋人」、「隣のヒットマン」、「ゴースト・オブ・マーズ」、「彼が二度愛したS」ほか。

ロレッタ・デヴァイン(パティ・デラクロワ役
出演作:「アイリスへの手紙」、「ため息つかせて」、「I am Sam アイ・アム・サム」、「ドリームガールズ」、「クラッシュ」ほか。ドラマ出演も多数。

サム・ジェーガー(マット・ダウド役)
ジェームズ・サイトウ(ドクター・チェン役)
マット・レッシャー(ネイサン・ストーン役)
ジュリー・ゴンザロ(マギー・デッカー役)
ジェイソン・ウィンストン・ジョージ(キース・ベネット役)