ヤングライダーズ①

THE YOUNG RIDERS 1989~1992年 アメリカ

このドラマについて
 1860年。南北戦争前の西部開拓時代。鉄道もまだ十分でなかったこの頃、郵便を少しでも早く届けるために創設されたポニー・エクスプレス。それは各中継所で乗り手と馬を交代しながら、長距離の郵便を配達するシステム。
 このドラマは、その中継所のひとつ、スウィートウォーターを舞台に乗り手である若きライダー達の活躍を描くものだ。中継所内の下宿に共同生活をしながら、仕事をこなす彼らは、おそらく20代前後であろうと推測される。青春真っ只中でもあり、恋に悩み、離れて暮らす家族のことで苦悩し、時代背景上、思わぬ事件に巻き込まれたりしながら、たくましく成長していく。
 実在の人物、ジミー・ヒコックとバッファロー・ビル(ビリー・コーディ)をメインメンバーに加えて、西部劇ファンにも嬉しいサービス。これまでの西部劇とは違い、舞台設定上は西部開拓時代だが、内容は青春群像ものとも言えそう。とは言え、従来の西部劇の雰囲気は十二分に残している部分もあり、若者でなくとも楽しめる作品だとも言えると思う。


番組放送当初から大ファン。とにもかくにも西部劇が大好きなこの私を満足させるものであったことは間違いない。何と言っても、実在のヒコックとコーディが私のイメージ通りであったことも大きかったし、そのヒッコク役を懐かしのジョシュ・ブローリン(「グーニーズ」のお兄ちゃん!)が演じ、コーディを一時期は女性達を熱狂させたボールドウィン兄弟の一人スティーブンが演じたのだから、注目に値する。

また、ライダーズの中の紅一点であるルーとキッドの恋の行方(時に三角関係になりつつ)も視聴者の話題だった。ライダー達の過去や背景が各エピソードで描かれ、ファンには必ず誰かのご贔屓になったりしていた人も多いと思う。私自身は実は誰か一人を選ぶのは難しい。

キッドは誠実で優しくて魅力はあるけど、ジミーのような一匹狼的なアウトローも捨てがたい。やんちゃ坊主そのままの様子を時折見せるビリーも気になるし、時に自分の立場に苦悩し、それでも同世代と比べて人生を達観している風情のバックもかっこいい。また、幼い頃の病気のせいで頭髪と言葉を失いながらも明るく賢明に生きているアイクだって、黒人ゆえに差別されつつも誇りを持って自由を勝ち取るために闘いつづけるノアだって素敵だ。

などど、ブツブツ言いながら毎週見つづけて、とうとうこの番組も終了してしまった。ラストはキッドとルーの結末にハラハラドキドキ続きだったが、南北戦争が本格化する前で最終回。個人的には、「戦争後の彼ら」の物語が観たいなあと思う日々。
書いているうちに、また最初から全部観たくなってくるのであった。(2004/11/16)

追記:このドラマは日本ではDVD発売されていません。あ~、残念。アマゾンのコメントにもあるように日本でもDVD化を望んでいるファンはたくさんいます。そして、みんな発売されれば絶対に買うでしょうに! かくいう私も絶対に欲しいです。今ではおばちゃんになってしまった管理人もこの若者たちの頑張りは、きっと今でもハラハラドキドキ、そして時にウルウルしつつ、青春時代のさまざまな思いが甦りつつ、共感しつつ、懐かしく見ることができる作品と確信しています。(2019/11/13)

②出演者とキャストについて (2004/11/16)
③第1シーズンエピソード (2009/06/26)
④第2シーズンエピソード (2009/08/28)
⑤第3シーズンエピソード (2010/02/10)

大西部へちょっと寄り道