ブラックリスト 復讐が連れてくるもの

6月、7月と、あれこれと突発事項が起きてサイトの更新は全くできずに過ぎてしまいました。定期的に更新したいとは思うものの更新速度が遅くなっています。歳を取るごとに自分の時間が増えると勝手に思っていただけのようで現実は厳しい! にしても、今更ながら、人の一生は、誰にとっても「何の変哲もない」ものではなく、決して同じ人生でもなく、そしてどれひとつ取っても無意味であるはずはない、と感じた(というよりもそう願いたい)日々なのでした(とはいえ、問題はまだまだ解決はしていませんが)。

そんなところで今回ピックアップしたいのは、現在スーパードラマで放送中の「ブラックリスト」。この作品も紹介したいと言いながらずっとそのままになっている海外ドラものひとつ。すでに第8シーズンの放送となってしまいました。何と言ってもこの作品を観たかったのは、レディントン役がジェームズ・スペイダーだったから! そう、すでに当サイトでも紹介済みの彼なのです。そして期待通り、犯罪者役にはいろんなドラマでもおなじみの俳優たちも登場し、時々は監督してその名を連ねているアンドリュー・マッカーシー、と実に管理人の胸を騒がせる要素が! とその辺は今回の話のネタではないし、ここではドラマの詳細な紹介は敢えて紹介はしませんが、この第8シーズンになって気になるのは、前シーズンの後半から不安要素ではあったヒロインのエリザベスの変容です。これまでのシーズンではエリザベスの捜査官としての成長や葛藤などが描かれていたのに、それに絡んでいる彼女の謎が少しずつ解明されるに連れ、だんだん復讐劇のようになってきてしまった点。隠された謎の真相を追い解明するストーリーではそうした復讐的な要素も出るのは致し方ないとしても、そして愛する夫ややっと会えた母を殺された深い悲しみを癒せないとしてもあまりに恨みつらみに走り過ぎじゃ?と感じてしまう。捜査官として、そして一児の母親としてどうなのよ?と。そんな展開で思い出したのは、当サイトで紹介済みの映画「キル・ビル」です。ヒロインをユマ・サーマンが演じ、日本人俳優の出演やゴーゴー夕張を演じた栗山千明も話題となりました。
復讐の連鎖は、とても断ち切れそうにもない映画でしたが、今回はこの「ブラックリスト」でも感じてしまいます。
自分の命をかけてリズと娘を守ったトムはこんな展開を望んだだろうか?とも。レディントンに対し、釈然としない思いが残るのは視聴者も同様なのでわかるものの、いくら恋しかった母親を殺されたからと言って、「あの母親よ?」と見る側にはあまり同情の余地がない女性。うーん、リズも母親と同じ道を行きますか、それが母娘ということでしょうか、なんて思いにもなります。シーズンも後半に入って、このあとどんな展開になるのか気になりつつ、リズがレディントンを狙う筋書きは本当は黒幕をあぶり出すためのお芝居だった、となってほしいなあと願ったりもするのでした。(2021/8/15)