エマ ~恋するキューピッド~
EMMA(2009年)イギリス作品
監督:ジム・オハンロン
出演:ロモーラ・ガライ(エマ役)、ジョニー・リー・ミラー(ミスター・ナイトリー役)、マイケル・ガンボン(ミスター・ダッシュウッド役)、ルイーズ・ディラン(ハリエット役)、タムシン・グレイグ(ミス・ベイツ役)、ブレイク・ライトソン(ミスター・エルトン役)、クリスティーナ・コール(ミセス・エルトン役)、ロバート・バサースト(ミスター・ウェストン役)、ジョディ・メイ(ミス・テイラー=ミセス・ウェストン役)、ルパート・エヴァンス(フランク・チャーチル役)、ヴァレリー・リリー(ミセス・ベイツ役)、ローラ・パイパー(ジェイン・フェアファックス役)
「エマ」のおおまかなあらすじは映画コーナーの「エマ」へ。
ご存じジェイン・オースティン原作のBBCによるドラマ化。何度もドラマ化されているこの作品、私のサイトでは、ケイト・ベッキンセール主演の、これもまたBBC製作の「エマ」と、ハリウッドで映画化されたグウィネス・パルトロー主演の「エマ」を映画コーナーにて取り上げている。
今回のこの「エマ~恋するキューピッド~」では、ナイトリー役がジョニー・リー・ミラーということで、それを知って以来、ずっと見たいと思っていた作品のひとつ。その意味では前出の2作品以上に私の興味をひいたとも言える。
もちろん、映画版は、ナイトリー役がジェレミー・ノーザム、エルトン役にアラン・カミング、フランク役にはユアン・マクレガーと英国俳優を揃えてのキャスティングに私の心も躍ったし、世間でも話題になった。3人とも原作を読んでいた私のイメージにだいたい合っていたし、当然、演技力も申し分ない(ユアンはちょっと時代物は似合わないかな~、とは思ったが)。
俳優陣が日本ではいまいち知名度が低かったケイト主演の「エマ」も同様だ。今度はそのナイトリーにジョニー・リー・ミラー。「トレインスポッティング」で注目され、テレビドラマ「イーライ・ストーンの不思議な日常」でお茶の間でも顔を知られたと言える彼のコスチュームもの。やはり期待は高まる。そして、その期待に彼は応えてくれていた。
常に冷静で聡明な紳士。紳士の中の紳士とも言えるナイトリー。少々、髪の薄さは気になるものの(失礼!)、衣装も合っていた(衣装はどの役の物も随分と凝って作られた物らしい)。正直、想像できなかったのだが、やはりそこは英国俳優だなあ、と思う。
そして、ナイトリーの重要性はもとより、この作品はエマが上手に表現できないと全くダメな作品になってしまうだろうと私は思う。それはオースティンファンにとっては一致した意見ではないだろうか。映画版「エマ」のグウィネス・パルトローは悪くはなかったが、私のイメージにはケイトの方が合っていた。今回のエマ役はロモーラ・ガライ。
申し訳ないが、全く知らない女優。DVDの写真を見る限りでは、さほど魅力的には見えなかったが、ドラマが始まるとすっかり引き込まれてしまった。写真と違って動いている彼女は、まさにエマそのもの。表情豊かで、キュートで、そしてナイトリー演じるジョニーとのバランスもよかった。私が見たこの3つの作品の中で、一番エマらしいと思えるエマだったと今では思う。
また、英国の美しい田園風景やお屋敷、調度品、小物類など、衣装以外にも「イギリス大好き」ファンには目の保養になるシーンがいっぱい。オースティンの世界はやっぱり素敵!、と再認識してしまった作品だ。音楽も印象的だったので、サントラ欲しいなあ~、などと、すっかり入り込んでしまった私であった。幸せな気分になれる作品。おすすめです。(2012/11/23)