Emma エマ

邦題        エマ
原題        Emma
製作年と国     1996年 米
監督        ダクラス・マックグラス
エマ役       グウィネス・パルトロー
ナイトリー役    ジェレミー・ノーサム
ウェストン夫人役  グレタ・スカッキ
エルトン役     アラン・カミング
ウッドハウス氏役  ジェームズ・コスモ
ミス・ベイツ役   ソフィー・トンプソン
ハリエット役    トニ・コレット
ベイツ夫人役    フィリダ・ロウ
フランク役     ユアン・マクレガー
ジェーン役     ポリー・ウォーカー

邦題        ジェイン・オースティンのエマ
原題        
Jane Austin’s Emma
製作年と国     
1997年 英
監督        
ディアールムイド・ローレンス
エマ役       
ケイト・ベッキンセイル
ナイトリー役    
マーク・ストロング
ウェストン夫人役  
サマンサ・ボンド
エルトン役     
ドミニク・ローワン
ウッドハウス氏役  
バーナード・ハプトン
ミス・ベイツ役   
プルネラ・スキャルス
ハリエット役    
サマンサ・モートン
ベイツ夫人役    
シルビア・バーター
フランク役     
レイモンド・コールザード
ジェーン役     
オリビア・ウィリアムス


Emma/エマ [DVD]

このお正月、再放送されたケイト・ベッキンセイル主演の「エマ」もともににシネマ・ライブラリーの方に載せることにしました。イギリスの女流作家ジェイン・オースティン原作です。今回の深夜放送で再放送された「高慢と偏見」の原作者でもあり、私の大好きな作家の一人。もちろん、「いつか晴れた日に」も大好きな映画の1本。これらの作品はどれも本当に素敵なものばかりです。女の子が憧れるもの、好きなものがたくさん出てきます。衣裳にしても小物にしても、必ずあるティーパーティーやピクニックにしても……。

けれど、オースティンの作品は、女の子らしい、可愛らしいだけではありません。女性が自分らしく、また自分の意志を強く持って生きることが今以上に厳しかった時代に、いかにして人間として成長し、女性として細やかな心を持って生きていくべきか、それを恋や人間関係を通して描いています。

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これは、舞台こそ、昔ではありますが、現代でも十分通用する内容であり、共感する心だと私は思っていました。その映画化! ヒットしないはずはありません。英米ではオースティン・ブームも起こったそうですが、納得できます。

さて、エマは恋のキューピッド役が楽しくて仕方ない女性です。お節介だけど世話好き。お転婆だけど陽気で明るい。母親を既に亡くしているエマは一人の父のためにもまだまだ自分の結婚は考えていません。そして、友人ハリエットの恋のお相手にと牧師のエルトンに白羽の矢を立てるのですが……。

恋の誤解と思いこみと片思いとすれ違いと偶然と、とあらゆることが重なり、そこにウェストン氏の息子のフランクやら、ナイトリーの領地で働く青年、美人のジェーンなどが加わって、「恋のゆくえ」は思わぬ方へと展開していきます。

ドキドキしたり、焦ったり、困ったり、そんなエマを暖かく兄のように見守るのが、年の離れた従兄弟のナイトリーです。時に厳しく叱り、優しく諭し、常に紳士な態度で周囲のものに接するナイトリーは、誰からも慕われる存在。でも、エマには時々うっとおしい。言うことがいちいち尤もで正しいのだから、反発しても結局自分が反省することに……。

彼女たちの恋は実るのか、ヒヤヒヤしながら、同時にエマの成長を描くこの映画。最初は私には原作のイメージから、ケイト・ベッキンセイル(「から騒ぎ」で注目していた彼女は見事に素晴らしい女優へと成長しました)のエマの方が似合っている感じがしましたが、意外にもグウィネス・パルトロー(彼女の出演作は「スライディング・ドア」、「恋に落ちたシェイクスピア」をCinema LibraryではUPしています)のエマはピッタリでした。ケイトもとてもよかったのですが、他の出演者を知らなかったせいか、映画の「エマ」の方がよく見えてしまったのは事実です。私が原作からイメージしていた感じと俳優たちの感じがあったのと、主役のグウィネスとのバランスもよかったのでしょう。

そして、やはり意外だったのは、ジェレミー・ノーサム(「キャリントン」にも出演していますが、小さい役です)のナイトリーです。彼が思っていた以上によかった! この役は非常に重要です。ナイトリーが駄目じゃ、作品の魅力も半減です。それを彼はとてもうまくカバーしていたように思います。ちょっと笑ってしまったユアン・マクレガー(「ブルー・ジュース」に出ている! ファンは要チェック映画です)のフランク役を忘れさせるくらいでした。(2001/01/09)

2018/10/27追記:ケイト・ベッキンセイルの「エマ」はテレビムービーと呼ばれている作品ですが、サイトに投稿した際には映画「エマ」のヒットと注目もあって、テレビで再放送されたのを期に、一緒に映画のコーナーに比較として載せました。当時はケイトの「エマ」の方の出演者は日本ではまだよく知られていませんでしたが、現在ではみなさん、日本でも知られるところとなっていますね。ナイトリー役のマーク・ストロングは近年では「キングスマン」のマーリン役が印象的でした。ウェストン夫人役のサマンサ・ボンドはプアース・ブロスナンの007でミス・マネーペニー役を、近年ではドラマ「ダウントン・アビー」のロザムンドおばさま役でよく知られています。ハリエット役のサマンサ・モートンも「マイノリティ・リポート」のアガサ役が印象的でしたが、「ジョン・カーター」や「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」にも出演していましたね。ジェーン役を演じたオリビア・ウィリアムスは昨年日本でも放送された「ホテル・ハルシオン」でホテルのオーナー、プリシア役を、そして実は2008年の「ジェーン・オースティンの後悔」というテレビの作品でジェーン役を演じました。今また、「エマ」を観てみるともっと新たな発見があるかもしれません。

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